バタフライシーカー 感想 - そこはかとなくエロゲを綴る  
2018/04/01
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バタフライシーカー 感想

category - レビュー
2018/ 04/ 01
                 
『景の海のアペイリア』で正円が言っていたように、途中FDを挟みましたが、予想通りA5和牛のラインからSFサスペンス新作が発売されました。

バタフライシーカー/シルキーズプラス A5和牛
あらすじはこちら

20180401(0)

原画:羽鳥ぴよこ
シナリオ:海原望
プレイ時間:12時間程度
ルートロックあり、修正パッチあり

修正パッチは一度終わった推理パートを飛ばす機能も入っています。
導入した方がスムーズなプレイが出来るかと思います。


○システムや動作環境
蝶のエフェクトや雪のエフェクトがノートできちんと動作するかが心配でしたが、問題ありませんでした。
一か所音声再生が遅れるシーンがありましたがPC側の問題化と思います。
それ以外は特に止まることもなく、快適なプレイが出来ました。

操作手帳からテキストに戻る時に『戻る』を押さないといけないのはやはり面倒でした。
推理パートでドロップをしたりするのも面白いとは思いますが、面倒なところでもありました。


○作画やグラフィック
背景は綺麗な物が多かったです。発達した都市部や商業地、湖など色々な景色を見れました。
絵に関しては立ち絵、CG、差分ともにムラが目立ちました。グロは弱めなので得意ではない人でもプレイできる範囲だと思います。
羽矢も脱がせてみたら結構な巨乳ですし、どのキャラのシーンやピロートークも肉感的に描かれていて良かったです。
先生の加えているシーンの透過していて見える口内や、淡く小さすぎない乳輪や突如として現れる羽矢のアヘ顔は一見の価値がありました。
どのキャラクターもめちゃめちゃ可愛い!って思えるCGがあってよかった。優衣が頭一つ抜けていますが、他の2人とも捨てがたい。


○主題歌やBGM
主題歌の『白き闇のアラベスク』はさっぽろももこが作詞作曲を手掛けています。
OPムービーが色使いや動きなどが特徴的だと感じましたが、それに相まってこの主題歌が織り成す空間は非常に幻想的でした。
トップのBGMもよく聞くことになり、BAD ENDからトップに戻された時のヒロインの表情とその前から流れてくるBGMとが作品の良さをグッと引き立てていたと思います。
BGMは種類は多くありませんが、その分耳に残りやすかったです。


○感想
感想は二部構成で前半はネタバレなし、後半はネタバレありで考察とします。
全体的な感想としては物語は粛々と進んでいくため、体験版の範囲での魅せたギミックのインパクトをなかなか超えられない、というものでした。
犯人たちと対峙することはありますが、犯人を導き出すための『推理』にウェイトを置いており犯人が判明してからの揉みあいや逃走劇といったシーンはあまりなく盛り上がりに欠けました。
舞台も広く白織市を扱っていますが、季節も相まって暗く閉鎖的な雰囲気を醸し出しています。
こういった舞台背景を考えると犯人とやり合ったりすることに期待するのは見当違いだとは思いますが、それならば優秀な交渉役を引き連れているのだから荒々しさのある論戦を交えて身柄確保に繋げるなどしてくれたら一つ一つの捜査にもはっきりとした〆があってメリハリもついたのではないでしょうか。

プロファイリングを駆使してアタリをつけますが、精査できないことはあるものの目星を付けてからは面白いくらいに当たってしまうので推理モノとしては少々弱かったと思います。

また、構成に関しては各キャラ毎に捜査する事件で分岐しており、どのキャラにもBAD ENDが用意されています。
全ての回答はトゥルーENDに繋がっているため個別での伏線要素は少ないです。
その中でもプレイ順には気を付けた方がよく、千歳>羽矢>共通END>優衣>トゥルーの順番であれば違和感なく進められると思います。
千歳ルートや優衣ルートはBADが凄く印象的でした。かなり好きな締め方です。

プレイ時間からも分かる通り短いですが、主人公の能力や過去、蜘蛛に関する事実などその中に散りばめられている情報量は多く、満足度の高い作品だったと思います。

がっつりミステリーをプレイしたいという人に関しては向かないかもしれません。
ただ、可愛いヒロインたちが協力して現場レベルで凄惨な事件を解決していくというのはあまりないので面白かったです。
テキストもよく飽きずに読み進められるのでまとまった時間にちょっとした考察モノをプレイしたいという時にはぴったりかもしれません。
シーンに関しては羽矢のアヘ顔と先生の透明棒の咥えこみのシーンはかなりよかったですが、折角これだけの巨乳キャラがたくさんいるのに活かせていなかったり淡泊なのは少し勿体なかったなと思いました。
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優衣の添い寝シーンを筆頭にどのキャラも巨乳を強調するシーンがたくさんあったにも関わらずパイズリあまりなし、キャラを活かした授乳コキもなしとすごく勿体ない。こんなに可愛いのに。


ネタバレなしだと語りにくい作品なのでこれくらいで。




※以下、ネタバレあり






            

本作において非常に特徴的なのはアカオリチョウと透子の行動と主人公の能力(バタフライ・シーカー)です。

アカオリチョウについてですが作中で『2か月前に白織山での棲息を確認された新種の蝶』とあります。
白織市で発見された真っ赤な蝶ということで『アカオリチョウ』という名前になったのでしょう。
この蝶の毒は共感覚(シナスタジア)という作用があり、毒を接種した時の体験に基づいた強迫性の強い幻覚や幻聴という症状をもたらします。

虫の特性には詳しくないですが、山で棲息を発見されるような蝶が大群で市街まで出てくることはあるのでしょうか。
そうなったらもっと話題にもなりますし毒性による被害が拡大してもおかしくはありません。
そう考えると作中でも突然見えたりいなくなったりするアカオリチョウは幻であり、アカオリチョウの毒に犯された人は幻覚を見るときにアカオリチョウの幻も見るようになったと考えられます。
先生の推理パートでは透子に限った話をしていましたが、これは他の毒を受けた人にも共通する部分があるのではないでしょうかと考えます。

他の人々には描写がなかったためなんとも言えませんが、主人公が6年前に見かけた時にも鱗粉なので少なからず毒を受けている可能性があります。
その結果死者に触れると蝶が見え、バタフライシーカーという死者の引き金となった体験を見ることができる本来の意味とは共感覚を引き起こす中毒とは違った能力得たと考えました。優衣BADにて主人公が優衣の死体に群がった実物のアカオリチョウの側にいたため中毒を発症していることから過去、アカオリチョウに触れた時には中毒には至っておらず、軽度の症状のため稀有な能力が萌芽したと考えました。

共通DEADの時に死にゆく間際『赤い蝶が1匹ふらふらと飛んでいて、僕の手中に落ちた。』の表現における赤い蝶というのはおそらく先に死んだ透子のことなのでしょう。ここはかなり気になる言い回しです。
主人公の能力のバタフライ・シーカーは死体に触れることで発動し、その死の原因となった些細な出来事(バタフライエフェクトで言うところの蝶の羽ばたき)を蜘蛛の糸のような細い繋がりから手繰り寄せるという『蝶(バタフライ)』にも『蜘蛛』にも作中の事件とダブルミーニングを持たせているのではないかと思いました。

しかし、作中で主人公の能力の由来については明確にされておらず、憶測の域を脱しないため脳内保管した結果です。
かなり伝わりにくいしロジックが崩壊しているのではとも思うのでなんとも言えません。

『凍えてしまわないように』という表現もどこか引っかかる部分がありましたがここは何かの比喩なのかがわかりませんでした。
体温が下がっていくというような表現を用いられている箇所は多くあり、うまく紐づけていけばこれも何か意味するところがあるのではないかと考えています。

この3つの特徴と主人公と透子の繋がりを中心として、過去の事件の被害者が様々に絡んでいる様子はさながら自分が蜘蛛の巣を張る蜘蛛であり、引っかかった情報を食べて混ぜて腹落ちさせるという一連の動作に見立てたることができてこれはこれでまた味があるなと感じました。
ここに記載したように意外と小さな世界で時間を経ているにも関わらず囚われたかのように関連する人物がまとまっていて密度の高い時間を過ごすことができたので非常に楽しかったです。

透子の主人公を殺害するシーンでの葛藤をもっと濃く描いてほしかったり優衣の感受性から主人公とぶつかるシーンを見てみたかったというような希望はありますが、概ね満足出来ました。
ライターの前作までの特徴からもっとひどい事になるとは思っていたのですがそこそこ綺麗なまままとまった話になっていますので上にも書いた通りちょっとした凝った話が読みたいときにはおすすめできそうです。


それではまた次の記事にて

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