セミラミスの天秤 感想と考察 - そこはかとなくエロゲを綴る
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セミラミスの天秤 感想と考察

category - レビュー
2014/ 07/ 05
                 
考えることが非常に多かったこの作品も読了したので途中からネタバレありで感想などを書いていこうと思います。


・セミラミスの天秤/キャラメルBOX
○基本情報
シナリオ:嵩夜あや
原画  :のり太
原作原案:安納塔子
プレイ時間:15時間弱
ルートロックは恐らくなし。サブタイトル付きのエンドを鑑賞後グランドでエピローグが追加(一度しか見られません)
バランスプレイとダイジェストプレイ有
いつものワードあり

エクストラであやさんが仰っているようにストレガのメンバーです。
原作/原案があるのは体験版をやっても分かりますが後程記述していきます。

○システムと動作環境
好感度を天秤を使い表現しており、その傾き具合でルート分岐をしていくようになっています。
青(ロウ)と赤(カオス)で大きく分かれ共通後半の内容が変化、個別に繋がっていきます。
ダイジェストプレイでは調整の必要はなく最初の選択肢から直行のようです。見られないBADなどもあるようで最終的にエピローグへたどり着くかは確認していません。
CPUの発熱がひどく強制終了になったことがパッチをあてるまでに3度ありました。パッチをあててからは落ちていませんがそれでも発熱はかなりあります。
既読判定もあまり機能していないのか読んだテキストでスッキプが出来なかったり次の選択肢へをクリックしてからが非常に長かったりと凝った作りの割にサポートが甘くプレイをしていて非常にやりにくかったです。

○キャラクター、設定
天秤が示すように二極化している二人が非常に特徴的です。
もちろん他のヒロインも関わってきますが大きくは二人の考え方の違いの中で進んでいく話です。
OPにもある「ようこそ、悪魔が織り成す『優しさ』の牢獄へ」からわかるように愛生が作り上げていく牢獄の支配とそれぞれの牢獄からの解放が表現されているのが本作品の特徴だと思います。

○作画やグラフィック
背景はなぜか非常に既視感があるのですがどこが舞台なのかは思い出せないまま終わってしまいました。
絵はいつもながらののり太さんという感じでしたが、途中入ってくるサブの凌辱シーンが普段とは異なっている部分だと思います。
また一部シーンにてアヘ顔があり今まで手を出していなかった人へサービスを行っているようですがあまり効果的ではないかなと思いました。

○総評と感想・考察
ライターのいつもの小難しい言い回しや表現が現実味のある内容であることに加えて薄気味悪さを演出していてくどいという印象は受けずに読み進めていくことが出来ました。
扱っているテーマも面白くそれぞれのヒロインが最終的に自分の牢獄から解放されていく様子が描かれていてしっかりと構成されているのがわかります。
しかしヒロインが結ばれてから個別は非常に短く引き方はあまりきれいではなかったのが残念でした。
全体を通して暗い雰囲気を出している、公式で凌辱を謳っている割には物足りないし必要の可否が問われるところではありますが私は薄いなりにあって良かったと考えています。
エクストラであやさんが仰っているように意図的に社会的な部分に触れていくことでより現実味、気味悪さを出しているのであれば今の時世を鑑みると臨場感は出せているのではないでしょうか。
考えることも非常に多くやっておいて損のない一作だと思います。





以下ネタバレになりますがこの物語に於いて常についてまわることについても考えてみました。
とりとめもなく書いているので文章の整合性が取れない部分もあるかもしれません。
愛生はさながら悪魔のように人の心を洞察し、巧みな話術で統制を図っています。意識か無意識かに関わらず愛生の用意したものへと流されていきます。それが合法的ではなく混沌としたもの(カオス)の場合もあり翻弄されていく様子が見て取れます。
一方で映瑠も自分自身の信念に従って主人公や周りを導いていこうとします。これは損得を置いた極めて秩序的なもの(ロウ)でした。
倫理の鉄槌エンドを通してみることで見えてくるのですが、この両者はどちらも極端でありある種異常であると思えます。プレイヤーである我々も愛生に翻弄されコントロールされていくのか映瑠の描くように進むのかを攻略と関係なく一度選んでみても面白いと思います。取り上げられていた問題は実際に解決するとなると非常に難しいものであり私自身も手を止めて考えてしまいました。何を以て解決とするかを愛生はプレイヤーに投げかけているようにも感じました。

プロローグにある「悪いことが起きたら悪魔のせい、その苦難を越えられるかどうかを天使が助言と共に見守っている」これも非常に考えさせられる文章であったと思います。

ここで忘れてはいけないのはこの話は「安納塔子」が書いたものだということです。
塔子ルートで「私には、愛生ちゃんと一緒に行けるAなんていないのかもしれない」と言っているように愛生が以前したAではないBの話が塔子にこの作品を書かせたのだと思います。
エピローグに入りわかるのですがこれは後日塔子が過去を振り返り書いた作品であるのでもちろん分岐なんて存在しません。この作品を書き上げることで自分が通れなかったBを日常化できたのだと思います。
書いた意図に関してはプロローグとエピローグに集約していますが余韻を残すためかはっきりと書かれていないためあくまで推察の域です。
幻聴はたぶんフィクションだとは思いますがそれが対立的であるから主人公のBであるのかということや死者Bであるのかなどはわかりません。
これを補完する作品が出てくれれば喜んで買います。

私はエンキドゥのワードを入れてプレイしていないためどういった変化があるのかは不明です。やった方は是非とも教えて頂きたく思います。

追記
幻聴に関しては他の方の考察を読んで上記とは異なりますが私自身の新しい回答をを見出すことが出来ました。
我々に委ねられた部分も多くありますが、しっかりと内容が出来ており改めて良い作品であったと考えることが出来ました。
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